モダンデザインの父と呼ばれ、アーツ・アンド・クラフツ運動の指揮を執ったウィリアム・モリスには、実は後継者と呼ばれた弟子がいたのをご存知でしょうか?彼の名はジョン=ヘンリー・ダール。18歳でモリスの工房の見習いとなった彼は、その後、織物とステンドグラスの職人となり、モリスが社会主義運動に傾注するようになってからはモリス商会の中核を成すようになります。そしてモリス亡き後は、モリス商会の芸術監督を彼が引き受け、長きにわたりその職を務めます。基本的にはモリスによく似たデザインをするダールですが、よりモダンな感じがあり、またより大胆な線を使うことでも知られています。 ラファエル前派 彼はラファエル前派から強い影響を受けました。ラファエル前派とは、初期ルネサンスや15世紀の北方美術に影響を受けたイギリスの一派で、ラファエル(ラファエロ)以前の作品に範をとったことからこの名で呼ばれています。
Month: March 2022
バウハウス
モダン建築デザインの礎となったのは、ドイツのヴァイマルに設立された美術学校「バウハウス」が持つその合理主義、機能主義的な芸術思想といわれています。僅か14年でナチスによって閉校に追い込まれたこのバウハウスは、その短い時間でその後のデザイン界の潮流を決定づけたのです。 豪華な教授たち バウハウスで教鞭をとった教授たちは、今から考えると非常に豪華な面々でした。ル・コルビュジェやフランク・ロイド・ライトと並び称される建築家、あのヴァルター・グロピウスやミース・ファン・デル・ローエが歴代の校長を務め、抽象絵画の大家、ワシリー・カンディンスキーや表現主義の中心的存在であったパウル・クレーが教授としてその名を連ねたのです。